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沼山 良明(ぬまやま・よしあき) »

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「pistol3」武田浩志・齋藤周
日  時:2011年2月26日(土)-3月13日(日)
会  場:ROOM11(北3東5)

市内在住の美術作家、武田浩志齋藤周による2人展”pistol”。その3回目が行われた。今回の会場はROOM11という札幌ファクトリーより5分ほど歩いたところにあるギャラリー。あまり行き慣れないエリアではあるのだけど、一度行けばすぐ憶えられる印象的な場所。記憶にとどまる。

本ギャラリーは格子上の窓があって自然光がよく入るのと、その窓から列車が走るのが見えるのも札幌のギャラリーでは珍しいかと思う。周辺には同じくギャラリーの「サロンコジカ」、カフェ森彦の3つめのお店でオリジナルのドーナツが楽しめる「D×M(ディーバイエム)」もあって、訪れるにはおもしろいエリアだと思う。2つのギャラリーを楽しみ、お茶を楽しむのいいかも。札幌ファクトリーも行けるしね。

会期のなかばの夕方、本ギャラリーにて、二人に話を聞いてみた。その中の話をピックアップして紹介しながら展示の様子の写真を紹介していこう。

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▲ Shu Saito

●2人の出会い

2人は出会ってから10年目だという。はじまりは武田がまだ学生だったころにアートの企画のため市内の高校を訪ねたところ、そこに齋藤が勤務していた。武田が20代前半、齋藤が30代前半の時だという。2人が気が合って交流を持つようになる。齋藤は「作品のつくっていく中でCAIやプラハなど活動の領域が重なっていたことと、知り合ってみると 同じ大学の研究室という共通項があった」からと回想する。

● 「pistol3」について

「pistol」は2006年にスタート、2007年に時計台ギャラリーで開催。そして、4年ぶりの3回目は昨年の春くらいよりやろうかと話していたという。テーマは「LIFE」としているが、あまり日常、日常という部分を強調はしないで、根底ではそういうのをおいたうえで、作ろうということだ。2人ともキャリアを重ねており、それぞれ個展の経験者であるが、2人展のシリーズをやるのはなぜなのだろうか。

武田:2人やることで、責任を分ける訳でないですが、良い意味で力を抜いた展示ができるのかな、とは思います。同時にこの企画は挑戦の場という気持がある。いつもできないようなことをやる。

齋藤:武田君とは本当に年齢差を感じさせずに、楽しくできますし彼の挑戦していく姿勢は僕も常に新しいことに挑戦していく気持になります。

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▲ by Shu Saito


●展示会場の「ROOM11」について

武田:いろいろ探していてこのギャラリーが気に入ってこの場でやりたいと思った。窓が特長的で自然光が入るのがいいですね。昼と夜で展示の表情が変ってくるのも新鮮。白い壁面空間がフラットでなくて入り込んでいるのもいい。

齋藤:僕は2年前くらいからこの場所は知ってはいた。僕も自然光が入るのがいいなぁ、と思ってました。でも、正直、立地で迷いあったのだけど、武田くんから話がきて、ああこのタイミングでやる場所なんだな、と思いました。この空間の良さを知っていたのでスッと賛成できましたね。

● 作品をつくる発想について教えてください。

武田:僕は展示したメインの作品は、ここ最近取り組んでいるポートレートシリーズといって、絵日記みたいな形の作品です。今、興味があるものや形、新しい技術の実験をひとつのキャンパスの上にどんどんもりこんでいって、わかりやすくするために抽象的な人型(ポートレート)にしていく実験的な作品です。

齋藤:僕は今まで線で人物を起こした作品というのかなりあったのですが、今回はできるだけ人物を描かないようにしてみました。後づけですけど、会場の格子上の窓を意識した作品作りをした感じかな。独立した作品を展示スペースにあわせてくっつけて展示したりもしてます。かわいい空間作りもやりたかったので壁面に直書きもやっていて、それは今までに近い作品ですね。    

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▲ Hiroshi Takeda

今回は、結果的に展示しない作品もありました。展示する作品が空間的に制限される場合、自分の作品に優先順位があるんだな、というのは発見だった。落とさなければいけない作品があって、取捨選択があからさまなって、コトバではうまくいえないけど、落とすものとそうでないものがあるんだなと思った。

武田:僕は、展示しなかった作品で実は当初これをメインにしよう!というが2枚あったんですよ。でも、実際展示してみて、作品に「ここじゃないよ」といわれた感じがして、展示しませんでした。

● 最後に展示の感想を聞いてみた。

武田:いつかは、と先延ばしにしていた大きいポートレートが描けた。今後につながる作品ができたと思う。今年はまだ始まったばかりですが、これで今年は軌道に乗れた感じがしますね(笑)。

齋藤:ひさびさなんですよね。2人という形の展示は。グループではなくて、2人展で見えてくることがあるんだなと思った。一緒にやらせてもらって、勉強になったし次の課題も見えてきた。これからいろいろな展覧会に出品していく中でためになったと思います。

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▲ by  Hiroshi Takeda

memo.
インタビューは30分程度コーヒーを飲みながらさせてもらった。その間も何組かのお客さんが展示を観に訪れていた。2人のお話を聞いてみた感想としては、「2人展」というのは、個展とも3人以上のグループ展とも違う、「やってみる魅力」があるのだと感じた。もちろん、それが有効に成立すのは、2人良好な関係性があるのと同時に単なる仲良し展にはならない距離感というか、一種の緊張感も必要なのだろう。個人的には2人展というのは、2人のアーティストの「対話」もあるのではないのだろうか、そんなことを感じた夕方から夜につながるひと時だった。

Photograph & Text by Shinichi Ishikawa (NUMERO DEUX)

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